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2023-06

バラ4の次は

また久しぶりの投稿。前の投稿は2月でした。
この時期はまだコロナ感染がそのうち収まるだろうという期待がありました。
あれから10ヶ月。不思議な1年でした。

色んなことが止まってしまったけど、ピアノに関してはある意味淡々と活動してました。
2月の時のブログに書いた通り、今年はショパンのバラード4番に取り組み、先月末に無観客のホールで弾いてきました。まだまだこうしたい、ああしたい、はありますが、しばらく距離を置いて、新曲を始めたところです。

バラード4番は技術的にも精神的にもチャレンジングな曲でした。曲の中に入りすぎるとショパンの大きな感情の波と悲劇的なエンディングへのエネルギーに揺さぶられて、1曲弾くと消耗します。美しい世界から、ラストは落ちて落ちて悲しみや怒りが込められたカデンツ!!やってる時は気づかなかったけど、改めて濃かったなあと思います。

だからというわけではないのですが、次に選んだのはベートーヴェンソナタ31。美しく穏やかな始まり、途中「嘆きの歌」が入りますが、悲しみも辛さも、全てを悟って昇華され、高らかにのぼるエンディングで終わります。救われる感じがいいですね。この曲も、色々な意味で難しくチャレンジングなのですが、ほっとしそうです。

大きな曲ばかりじゃなくて、今年はいくつか平行して弾こうかと思っていて、
ちょっと前からグリークの叙情小曲集の中から、甘いメロディーとラストの深い低音が心に染みる「愛の歌」も弾いています。

自粛していたデュオも復活予定。一昨年行ったプラハを思い出しつつ、またプラハに行けることを祈りつつ、スメタナのモルダウを始めます。川下りをしているような色んな描写と祖国を思う誇らしいメロディに勇気づけられます。

次にブログを書こうと思う頃には、色々落ち着いてるといいなあ。

レパートリー

また久しぶりの投稿になってしまいました。
昨年も何度か人前で演奏する機会もあり、オランダでのピアノ三昧の夏休みもあり、
振り替えると充実した1年だったように思います。

なんだかあっという間に過ぎてしまったようですが、昨年取り組んだ曲を思い出してみると、
シューベルト ソナタ13番
ドビュッシー 小組曲(デュオ)
シューベルト ロンド D951(デュオ)
モーツァルト 連弾ソナタK521 (デュオ)
シューマン=リスト 献呈
ブラームス インテルメッツォop118-2 
グラナドス アンダルーサ

ここまで前半。演奏会が終わり...
ショパン バラード4番 
ショパン エチュードop10-1
バッハ 平均律クラヴィーア曲集 ホ長調
ドヴォルザーク スラブ舞曲op72(デュオ)

並べるとなんだか沢山に見えますね。(^^)
でも、しばらく弾かなくなると忘れてしまって悲しい思いをしますので、
レパートリーとして弾けるようにキープしたい曲は、時々弾くようにしています。

ちょっと忘れてしまったとしても、
しばらく間をあけてから再度取り組んでみると、新鮮な気持ちで取り組めて、
「もっとこうしたい」という気づきが生まれるのでいいなと思っています。

それにしても、ショパンのバラード4番はいつになったら形になるのでしょう。
最初から最後まで美しい曲なので、丁寧に仕上げたい。
ポリフォニーを多く使っているので、今同時進行のバッハが役に立っていますし、
柔らかい手首が必要なので、ショパンエチュードが役に立っています。
気長に楽しんで練習を重ねていこうと思います。



身体を鳴らす、楽器を鳴らす

ここ数年はタッチのこと、響きのことを自分なりにあれこれ探究しています。
あるとき、楽器と体が一体になっている声楽家の楽器の響かせ方、つまり歌う時の身体の使い方が気になり、1か月前くらいに知り合いの声楽家の方のレッスンを受けて来ました。

声楽は全くの素人の私。とりあえず、この冬にはまっていたフィガロの結婚のケルビーノに挑戦してみました。有名な、「恋とはどんなものかしら」です。

レッスンでは一通り歌ってから、身体の構造(喉のあたり)の図を見ながら、喉辺りの筋肉をどうつかっているのか、高音と最低音の捉え方と響かせる場所、発音によって異なる口の開き方、声を飛ばす方向などを教えていただきました。とてもわかりやすく、ストーンと腑に落ちた感じでした。

それを踏まえていざ再度歌いましょう。
ですが、突然できるようになるわけではなく、ワンフレーズずつ何度も繰り返しながら必死についていきました(^^;)
時々成功して良い声が出た時は結構気持ちがよかったです。
それにしても、声楽は思っていた以上に身体を酷使するものでした。
喉を開いておくために首の後ろの筋肉を常に使っているため、リサイタル前には首がパンパンになり鍼通いが必須とのことです。

歌のレッスンを受けて、ピアノにどう生かせるか。
ここからはイメージの世界になってくると思いますが、
・歌っている感覚を持ちながら演奏することで自然なフレーズを意識できるし、メロディーをより歌えるようになる。
・歌って身体を響かせる感覚を広げて、タッチでピアノを響かせる意識を常に持てる。

レッスン後、シューベルト=リスト”献呈”を弾いてみたら、
なんとなく意識が変わっているのに気づきました。
そういえば、マリーン先生も「いつも歌っているよ」と仰っていたことを思い出します。

でもそれから1か月。レッスンで歌った感覚がだんだん薄れてきてしまいそうなので、
時々思い出しながら、時に歌ってみながら、
引き続きピアノでの響きやタッチについて試行錯誤してみたいと思います。



大人になってからのピアノレッスン

時々、大人の方からこんなお話を伺います。

「ピアノを習ってみたいけど、大人になってからでは難しいように思い躊躇している。」

「昔習っていてまた弾いてみたいけど、もう全然弾けないと思う。」


確かに子どもの頃と比べて、年齢を重ねていくと身体を思うように動かすというような技術面での上達はゆっくりかもしれません。それでも練習の仕方を工夫することで、何歳からでも必ず弾けるようになりますし、上達していきます。

また、年を重ねていけばいくほど、様々な体験を通して得られた精神的な成熟が音楽表現をする上での強みになります。

 

作曲家でありピアニストであり、指導者であったリストは「技術は機械的な練習からではなく精神から生まれるべきである」と仰っていたそうです。すぐれた演奏家になるためには、すぐれた感性と豊かな知性に裏打ちされ、あらゆる問題に精通した人間になることが求められます。


実際にある作曲家の曲を演奏するためには、その作曲家が生きた時代背景や、その地域の歴史を学び、作曲家の意図や心を理解しようとする試みが大切です。私自身も、新しいことを本で読んだり、実際に体験するたびに、曲に対する理解が変化しています。曲を聴いた時の印象も変化するので面白いです。


そのようなことから、大人になってからピアノを始める事、あるいは続けることは、深く芸術を理解した上で演奏が出来るという強みがあると思います。

 

 「上手に弾けないから恥ずかしい、練習時間がとれないから自分には無理なのではないか?」という不安が先立ち、始められない方も多いと思います。


 私も仕事や家事をしながらピアノを練習しているので、ピアノにむかえるのは1週間のうちほんの限られた時間だけです。そのため、限られた時間で効率よく効果のある方法を考えて練習しています。少しずつ仕上がって行く過程も楽しいですし、形になった時の感動は他ではなかなか得られません。


 はじめから上手に弾こうと考えなくてよいと思います。まずは自分で出すピアノの音色を楽しむことが第一歩です。一音一音楽しんで弾きながら、だんだんと曲が仕上がったら素敵ですね。

 

 もし、「習いたいけど出来るかしら?」と悩んでいるならば、思い切って試してみてはいかがですか?


神奈川県湘南エリアでレッスンをいたします。

詳細のお問い合わせ⇒メールでお願いします。

 

「ロシア・ピアニズムの贈り物」

ピアノを演奏する上で、今一番重視しているのが音色と身体の使い方。実際にピアノに向かう以外の時間は、色々な本を読んでイメージトレーニングをしています。

その中で最近読んで良かった本が「ロシア・ピアニズムの贈り物」原田英代(みすず書房)です。華々しいテクニックよりも、もっと根本的にピアノを弾く上で大切な事を教えてくれます。ロシアピアノ学派の巨匠たちの重みのある言葉が大変勉強になりました。

またこの本は、心理臨床の営みと、作品を演奏することが、互いにいい影響を与えているし、どちらも同じ方向性にある行為だという私の最近の自論を強く裏付けてくれる興味深い本でした。

作者、原田さんがロシアで師事したメルジャーノフの言葉で一番印象に残ったのは「演奏家の使命とは、演奏を通じて作曲家の意図が表されるようにすべてを捧げる事である。演奏家は決して自分を世に知らしめるために作曲を利用してはならない」です。
作曲家が何故この曲を、どのような気持ちで作曲したのか。それを想像し共感して表現していくことは、臨床の場でその人の背景や気持ちや生き方を想像しながら関わることと似ていると思います。


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