身体を鳴らす、楽器を鳴らす
ここ数年はタッチのこと、響きのことを自分なりにあれこれ探究しています。
あるとき、楽器と体が一体になっている声楽家の楽器の響かせ方、つまり歌う時の身体の使い方が気になり、1か月前くらいに知り合いの声楽家の方のレッスンを受けて来ました。
声楽は全くの素人の私。とりあえず、この冬にはまっていたフィガロの結婚のケルビーノに挑戦してみました。有名な、「恋とはどんなものかしら」です。
レッスンでは一通り歌ってから、身体の構造(喉のあたり)の図を見ながら、喉辺りの筋肉をどうつかっているのか、高音と最低音の捉え方と響かせる場所、発音によって異なる口の開き方、声を飛ばす方向などを教えていただきました。とてもわかりやすく、ストーンと腑に落ちた感じでした。
それを踏まえていざ再度歌いましょう。
ですが、突然できるようになるわけではなく、ワンフレーズずつ何度も繰り返しながら必死についていきました(^^;)
時々成功して良い声が出た時は結構気持ちがよかったです。
それにしても、声楽は思っていた以上に身体を酷使するものでした。
喉を開いておくために首の後ろの筋肉を常に使っているため、リサイタル前には首がパンパンになり鍼通いが必須とのことです。
歌のレッスンを受けて、ピアノにどう生かせるか。
ここからはイメージの世界になってくると思いますが、
・歌っている感覚を持ちながら演奏することで自然なフレーズを意識できるし、メロディーをより歌えるようになる。
・歌って身体を響かせる感覚を広げて、タッチでピアノを響かせる意識を常に持てる。
レッスン後、シューベルト=リスト”献呈”を弾いてみたら、
なんとなく意識が変わっているのに気づきました。
そういえば、マリーン先生も「いつも歌っているよ」と仰っていたことを思い出します。
でもそれから1か月。レッスンで歌った感覚がだんだん薄れてきてしまいそうなので、
時々思い出しながら、時に歌ってみながら、
引き続きピアノでの響きやタッチについて試行錯誤してみたいと思います。